その日はテストがあったらしい
光工学っていう教科だった気がする
前日には新宿でパーティに行ってたけど、ちゃんと勉強したつもりだった
パーティー行くなよと思うかい?
行ってしまったのだ
授業で「ここは出ないよ。ここまで難しい問題はね」といっていたからだ
安心した
簡単なんだと
たしかにそこそこ難しいがその問題なら出ても解けると思ってたし、そう言ったからそこは勉強しなかった
朝学校に着き、友達と話し、
前の授業が終わるまでの間、ノートを見て勉強した
「ヤバイな」とテスト前に言わなければならない言葉を発しながら…
私たちはその時が来るのをじっと待っていた
心のなかでは「いけるな」と思ってた。
いつものことだ
予想してた問題は解けるようにしておいたし
過去問も何年分にも渡る量を解いていたのだ
それで自信がないわけないだろう
教室から学生の波がドアから流れ出した
いよいよ私たちの
テストが始まる
久々のテストに興奮しながら、友達との勝負を楽しむように学籍番号を書き始めた…
いつも私は
「はじめ」の合図では動かない
すこしの間精神統一する
目をつぶり、祈るように手を組み、深呼吸する
皆が書きはじめて、少ししてからスタートするのだ
理由はわからない
その日によって目をつぶる時間も変わる
今日は短めだった
気持ちを切り替え
問題を見て、解き始めた
…………………………………………………………………………………
悪魔はいつも優しそうに私たちに囁き教える
「ここは出ないよ
こんなに難しい問題はね」
…………………………………………………………………………………
出た
Comment On Facebook