大学院試験に落ちる.
特に不満もないし,教授はしっかりしていて,日本語の文章といった基礎から,資料作りまで手抜きをしない.
おそらく大学内で一番良い教授.その分厳しく感じる人も多いが,私はこの環境に満足している.
研究では,もっとデータ解析や機械学習を学びたかったし,
ポジティブな気持ちで自分の大学院の院試を受けることを決意した.そんなことがもう3か月前.
そこから1か月間,電磁気など電気電子工学科で重要な科目や,線形代数を勉強するが,この気持ちは何だ.
まったくやる気が起きない.
「電磁気を勉強して俺はどうなりたいんだろう.」そんなことばかり考える.
そんなことばかり考えて,勉強机に向かうと,もう常にネガティブ.
もう負電荷.もうツェナー現象.アバランシェ.
そうして研究室の中で俺だけ落ちた.
山は張ってないが,すべてはずす.
「過去問余裕だし,ビオ・サバール,ローレンツ,ファラデー,ガウスさん?ハハ親友よ.」
「拡散もいいけど,ドリフトしちゃおっかな~♪」
(佐々木__試験問題を見る__)
「…」
「…初見.」
バカ野郎.
すべて確証のある回答じゃなかった.
こんな気持ちはあのときにそっくりだ.
高専大会東北大会決勝でPKを外した時以来だ.
つのる不安…と信じることしかできない無力さ.
違いは仲間がいるかいないか.そんだけ.いやいや「そんだけ」では片付かない.
落ちても悔しくない.
「どうせ受かる.」とおもってた試験前.
「落ちてもどうにでもなる.」と思う試験後.
ポジティブ?とも強がり?とも違う.
腐った性格?とも違う.と信じたい.
単純に自分の描く未来像が,落ちたところで変化しなかったのだと思う.
だから落ちてもさほど悔しく感じなかったし,逆にこれからを考えられるいい機会をもらったと思った.
今考えてもよくそう思えたと不思議だ.追い込まれているはずなのに.
さて,待ち受ける空白の近未来.
とりあえず先輩に会おう.と思った.
人生の先輩を親友に.
落ちたことを連絡すると,一回飯行こう.と.
10歳上からもらう言葉はやっぱり違う.すべて力がある.
なんだろう.未来の自分を見ているような感覚とでもいうのか.
親との距離感でもなく,だからといって2,3年上の先輩とも違う,
教育実習生みたいなあんな距離感.
人生の中で一番多く説教 (アドバイス) をいただいている…
あんな人にわたしもなりたい.
人それぞれだと思うが,自分にとって悩みを解決してくれる必殺悩み解決人である.
そんな軽い言葉で言うとよくないですね.恩師です.
こんな話をしてくれた.
「cognitive」と「non-cognitive」.
アルク英辞郎によれば
cognitive
認識[認知]力[作用]の
non-cognitive
認識[認知]と関連しない
人のこの2つの能力が仕事と密接な関係にある.
どんな能力や.と.
もっとわかりやすく,toshipedia的に言うならば,
cognitive
偏差値,IQのような数値化できる頭の良さ
non-cognitive
律儀,真面目,忍耐強さのような数値化できない人間性
である.
どんな仕事をしたいか.よく考えたい.
何になりたいか.ではなく,何をしたいか.もっと単純に何が好きか.
ここをうまく伝えられない.堀江貴文さんの「ゼロ」という本を読んでほしい.
俺も何になりたいかよく分かってないけど,やりたいことはたくさんある.
そのうえで,cognitiveとnon-cognitiveのどちらの能力が大事なのかもう一度考える.
どちらもある方がそりゃ優秀だけれども,
プロフェッショナルを目指すなら,non-cognitiveよりcognitiveの方が,
コンサルタントとかプロジェクトマネージャーに興味があるのであれば,cognitiveよりnon-cognitiveの方が必要だと思う.
他の業務でも同じだ.自分の目指す未来や仕事にその能力は必要なのか.
こういう甘い考え方がダメなんだと.cognitiveがあった方が,勉強できる方がそりゃ優秀だと.そう思う人もいるかもしれない.
しかし,この考え方で,気持ちが楽になったのは事実であり,この上で考え直すことで新たに発見できることもあった.
さまよう.
さて,それじゃ
Q0. なにしたいの.
A0. 機械学習,深層学習,自然言語処理勉強して,あんなことやこんなことしてぇぇ (ニヤニヤ)
Q1. じゃ目指すのはプロフェッショナル?
A 1.うーん.そんなことはないかな.運営の方が気になるな.マーケティングとか.
Q2. じゃcognitiveはそんなにいらないし,進学じゃなくて就職したらいいのでは.
A2. たしかに.ただね.自然言語処理おもしろいやん.それ仕事にしたい.
Q3. …
A3. …
という感じで考えました. (そのうち4割くらいは,「それでいいのか」)
結果,自然言語処理で仕事したい.そこの就職先?電気電子からじゃおそらく厳しいだろう.
じゃ,もっとそのスキル身に着けて,勉強必要だな.
となりました.
自然言語処理との出会い.
そもそも私はデータマイニングを最近の興味ある分野として,勉強してました.
そして,その途中,たまたまword2vecという単語をベクトル化して演算とかする,
すっっっっっっっっっっっごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉく面白いやつに出会ってしまい,
おもしろ好きの私は,
それ以降,自然言語処理とデートする日々を送っておりました.
自然言語処理って何ぞや.と.
toshipediaによれば
自然言語処理 (natural language processing、略称:NLP)
人間の言葉をコンピュータに処理させる一連の技術.
その応用の一つがSiriのようなチャットボットである.
もっと簡単に言えば,コンピュータを言葉のわかる人間っぽくしちゃおうってこと! (こういう記事は怪しい)
調べて出会った自然言語処理のメッカ.
自分やりたいことって,電磁気とか,半導体じゃなかったんだー
自然言語処理ってどこすごいんだろー
ぐぐってみよー
あ、みつかった!NAISTって自然言語処理のメッカって言われてるんだとさー
へー
優秀な先輩方もそういえばNAISTだったな~
↑こんな文章を書く奴が自然言語処理をやるのは大丈夫かという不安はあるものの,
こうして受験を決意. (もちろんほかの要素もあるが)
そして受験.受験前日はAirbnbで泊まり,快適.
無事,優秀な成績で合格することになりました.
長々と書いてきたが振り返ってみる.
結局のところ,最初の院試に失敗した敗因は,
勉強不足である.
その理由はモチベーション,熱量が発生しなかったから.
無理やり,熱量あげようとしてもうまくいかないもんである.
実際,NAISTを目指している間はなんの苦痛もなかった.
社会ではモチベーションが上がらなくて.っていう言い訳はできないけど,
「熱量が向けられないんだったら,やめる.」と,恩師が言っておりました.
じゃ,熱量を向けられる場所はどうやったら見つかるのか.
わかんない.
けど,それはおそらくアンテナを張っておくこと.そして,自分自身と考えること.なんじゃないですかね.
話変わって,
あるとき,東大の人と10分くらい話す機会があった.
ある子が東大の人に,「どんな将来設計をしてるんですか」と聞いた.
え!?ここはお見合いか!と思ったが,
おどろくことなかれ,その人は,30年くらい先まで設計書を読み上げるではありませんか.
自分でも考えたが,
配られた試験用紙を裏にして机の上において透かして見ようとしたときの文字くらいぼんやりとしか浮かばない.
たぶんこれが普通だし,5年後,10年後の未来なんて予測できない.諸行無常である.
だったら常にアンテナ張って,臨機応変に,どんな環境でも順応できるように,生きていかなきゃいけない気がするんだよな.
大企業に就職,銀行に就職したら安定だなんて時代ではもうない.
昔の常識は今の常識ではない.
最後に.
えー今回は非常に真面目なブログとなりましたが,以上のように頑張っていきます.
院試期間中は,たくさんの方にお世話になりましたが,FBでバサッと合格報告をするという,非常に信用を無くすようなことをしてしまいました.
ときどきこういう常識の欠落を感じます.
これは僕の悪い点の一つです.
そんなこともあり,ほかの理由もあり,
もし読者の皆様の中で,信用とか信頼に関しておすすめの本がありましたら,
ぜひですね,下のコメント欄か,FBで教えていただけたらと思います.
非常にですね.読みたいと思っておりますので,ぜひよろしくお願いいたします.
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